大切なものは目に見えない
2017年2月2日
「大切なものは目では見えない。だから、こころで見るんだ」
星の王子様の主題である。
「そんなの当たり前じゃないか。使い古された言い回しに、何酔っているんだ。」と思う人がいるかもしれない。
君達は、私がそうだったように、わかった気になっているだけなのだ。頭の中で、言葉を分解して、噛み砕いて、それからごくりと一飲みにして、「わかった」と思い込んでしまっている。
でも、本当に「わかった」というのは、胃袋より少し上で、背中とお腹のちょうど真ん中あたりの小さな小さな場所にすっと入った時だと思う。
認知して、繋げて、咀嚼することは「わかった気になること」。
私がそうだったように、といったものの、結局私も未だわかった気になっているだけなのかもしれない。
「わかった」瞬間は突然やってくるもので、ひらめきに似ている。それは一日中小さな机の上で、ずーっと悩んでいた問題が、次の日にくたびれたベッドの中で解けたときと同じように、突然にやってくる。あるいは、旧来の友人の突然の結婚のように。それから、夏の夕立のように。
2013年の7月からずっと悩んでいた大きな問題があった。その問題は解こうとするほどにどんどん絡まっていて、鉛筆で書いて、消しゴムで消して、また鉛筆で書いて、到底解けないんじゃないかって思っていた。解けない気がしていたし、なんだか問題も見えなくなってしまった、それから2016年が終わった。
先はわからないもので、2017年1月になって「わかった」。
「わかった」のならば、本来は記憶なんて必要ないんだけれど、わからなくなってしまったときのために記録しておく。これはそのための文章。