流れるままに流されない
どれだけ降れば気がすむのだろう、そんな思いでベランダの外を見やる。
思えばこんなに雨が降っている秋は三年前以来なのではなかろうか。
そう思う自分の都合の良さに、思わず笑ってしまう。
いや、三年前のこの時期は晴れていた、か。
ピンク色のアイスクリーム屋さんがあった。まだ夏が残っていて肌がじっとりしていた。僕は汗っかきなので、そのたび少し申し訳ない気持ちになる。
自分の人生はよくわからないもので、いまの僕の姿を三年前のお前は想像しがたいであろう。自分のことを「大人」であると思い上がっていた三年前の自分がひどく子供であったことを最近ようやく自覚できた。
若さを少し失ってしまったけれど、そのぶん年相応になれたのかもしれない。
自分のことを「こども」だと言ってのけた、あの子は19歳の僕よりはるかに大人で、素敵だなあ、と心の中で思っていたんだ。
自分の大学が嫌いで、でもそこの環境はある意味で楽で、見栄っ張りで楽チンな方に歩みがちな僕はずるずると進んできたのだけれど、ちょっと脇道に逸れてみようと思っている。
大変なのだろうと思うのだけれど、意外になんとかなってしまうのではないか、と。
何かを選ぶことはすごく度胸のいることなのだけれど、自分が好きなもの・嫌いなもの、そして大事にしたいもの、それくらいでいいから自分で選んでゆきたくなったのです。
この決意が雨に流されてしまわぬように。
インターネットの片隅においておきたい。